2005年04月18日

ねずみ女房

著者: ルーマー・ゴッデン, 石井 桃子, W.P.デュボア
タイトル: ねずみ女房



平凡に暮らしていたネズミが、ある日、捕えられているハトが野にあこがれる様に強く心打たれ、渾身の力で、かごの戸を開けてやる……。



小さなねずみの女房は他のねずみと違っていた。子どもを育てたり食べのもを探したりする日常の中で、今もっていない「なにか」を探している。
そして捕らえられてカゴに入れられた鳩と出会うことで、自分の知らない世界の存在に気がつくのだ。
なぜだか分からないけれど、何か大切なものがそこにあるような気がしてしまう、そんなめすねずみの気持ちは、おすねずみには理解してもらえない。


これ以上何がほしいというんだな?」と、おすねずみは聞きました。
「おれはチーズのことを考える。おまえも、どうしてチーズのことを考えておれんのかね?」

毎日鳩と会いに行くめすねずみにおすねずみが怒る。

「おれは、気にくわん。ねずみの女房がおるべき場所は、巣の中だ。さもなくば、パンくずをさがしにいくか、おれとあそぶかするべきだ。」
めすねずみは答えませんでした。めすねずみは遠くを見るような目つきをしていました。



…うーん、とても子どもの本とは思えないような内容だ。たくさんの人に読んでもらいたくて、昔、僕はこの本を買っては知り合いの女の子に配っていた。

作者のルーマ・ゴッテンさんは「人形の家」(岩波ジュニア文庫)などでも、童話をモチーフに純文学のような人生の奥深いテーマの話を書いている。


(今回は猫の本ではなかったけれど、動物の本ということで…)

  
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2005年04月01日

猫踏んじゃった

猫踏んじゃった

著者: 吉行淳之介
タイトル: 猫踏んじゃった
角川文庫(たぶん絶版)



吉行淳之介が何代か黒猫だけをかっていたことがある、というのをどこかで読んだことがある。黒猫だけというところが妙に気にかかった。

新撰組の沖田総司は死ぬ数日前から、奇妙な黒猫に取り付かれていたという。
また、黒猫が目の前の道を横切ると不吉な事が起こるとも…
でもそんなことを言っていたら、黒猫を飼っている家は毎日不吉なことが起きることになってしまう。


「呼ばない時にはやってきて、読んだ時には知らん顔、それは猫と女だ」

というのも彼の言葉。

どうも猫には女の人のイメージがあるようだ。

知人でシャムネコはどうも雌しかいないような気がする…といった奴がいるけど、そんな訳はない、と思うもののその感じはよく分る。

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2005年03月29日

アポリネール「猫」

 

「猫」

僕は持ちたい

家の中に

理解ある妻と

本のあいだを歩き回る猫と

それなしにはどの季節にも

生きていけない友だちと

    ギョーム・アポリネール
    堀口大學 訳



今は昔、大学生だった頃、教室の机にアポリネールの詩を落書きしていると、翌週その机の落書きの横に新たな詩が書き加えられていた。



「猫」

私は持ちたい

家にはあまり居ずに稼ぎだけは多い夫と

飲まず食わずの猫と

それなしにはどの季節も

生きていけないアルコールと

    ギョーザ・タベテネール
    ○○大學 訳






著者: アポリネール, 堀口 大学
タイトル: アポリネール詩集
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2005年03月28日

贋作吾輩は猫である



著者: 内田 百けん
タイトル: 贋作吾輩は猫である―内田百けん集成〈8〉 ちくま文庫

本家の漱石の「猫」よりもこの贋作「猫」のほうが面白い。

水がめにはまって死んでしまった漱石の猫が時空を飛び越えて百間のことにやってくる。

40代の漱石よりも60代の内田百間(漱石の弟子)の文章のほうが奥が深い気がすると初版本で伊藤整が書いている。

うどんを食べている来客を前にして、(自分は晩酌がまずくなるから食べない)洋の東西を問わずして細くて長いもの、スパゲッティやヌードル、麺、そばうどん…を人類が食べているのは、人間がかつて原始時代に自然界にあった細くて長いものを食べていたからだと百鬼園先生は説く。

自然界にあった細くて長いものを食べた、のど越しのおいしさを記憶しているから、人間は麺を加工するようになった。自然界にある細くて長いものというと…。

それもフォークや箸を使わずに手づかみで、冷たいもの(冷やしうどんなど)を食べるほうがいいという。だって、そのほうが、

「虫を捕まえたようで、うれしいぢゃないか」

聞いてる猫もあきれるような話がうどんをすする来客の前で延々と続いていく…。

  


  


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2005年03月23日

猫のいる日々

猫のいる日々


著者: 大仏 次郎
タイトル: 猫のいる日々

大佛次郎が大好きな猫のことをあちこちで書いた随筆を一冊にまとめた本。

小猫で鈴をつけてよく庭に遊びに来るのがあった。時間が来ると、いつの間にか帰ったと見えて姿を隠し、また明日、やってくる。かわいらしい。どこから遊びに来るのかと思って、ある日、

「君ハドコノネコデスカ」

と荷札に書いて付けてやった。

三日ほどたって、遊びに来ているのを見ると、そこに

「カドノ湯屋ノ玉デス、ドウゾ、ヨロシク」

と書いてあった。


  
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2005年03月20日

ジェニィ



著者: ポール・ギャリコ, 古沢 安二郎
タイトル: ジェニィ

突然真っ白な猫になってしまったピーター少年は、家を追い出される。

雨の中、冷たい人間たちに追い払われて、意地悪なボス猫にいじめられるピーター。
やさしいメス猫ジェニーと出合って、二人は恋と冒険の旅に…。

書いてて照れくさくなってしまうが、
猫になったときの描写が、凝っていて、この作者はとても猫好きのやっちゃなぁーと思わせる作品だ。

大好きなジェニーを助けるために、ピーターが貨物船から海に飛び込むシーンでは泣かせてくれる


  
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2005年03月19日

夏への扉



著者: ロバート・A・ハインライン, 福島 正実
タイトル: 夏への扉


主人公が買っている猫(ピート)は毎年冬になると、家中のドアというドアを全部、主人にねだって開けさせてまわる。
この猫は寒い冬が嫌いで、家の中の何処かのドアが『夏』につながっていると固く信じているのだ。
猫がこの欲求を起こすたびに飼い主は猫についていってドアをあけて回る。
ピートはどんなにこれをくり返そうとも、夏への扉を探すのを決して諦めようとはしない…

という書き出しで始まるこの本は、ハインラインの数多い作品の中で、僕が一番好きな小説だ。
今どきSFなんて、などと思わないで、一読してみてください。ゼッタイ面白いですよ。
posted by ころすけポー at 20:29| Comment(0) | TrackBack(0) | ネコの本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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