2005年01月12日

第20話 猫を抱く

第20話 猫を抱く



飼われている猫の中では人に触られたり抱かれることを嫌う猫もいるようだ。知人のうちの猫は体を拘束されるのを嫌うのか、抱っこするとすぐに嫌がって逃げていってしまうという話を聞いた。

ポーは小さいころから僕が抱っこしたり、ダンベル代わりに持ち上げたりしていたので、今でも、人に触られることは嫌いではないようだ。


ポーのいる部屋に入ると、足元によってきて頭を押し付けてグリグリしてくる。かまってくれよーと言っているみたいでなので、しばらく抱っこしてやると満足するようだ。

年をとって人見知りもなくなってきたポーは、昨年生まれたガク(ケイタの弟)にもすぐに慣れた。ガクを抱いてポーの近くでみせてやると、挨拶のつもりか「ニャ」と小さく答える。

だんだん、愛想がいい猫になってきたようだ。

幼稚園児のケイタが
「ポーちゃん、重いよなぁー、持ち上げられるかなぁ」というので、そっと抱っこさせてみた。
すぐに逃げてしまうかなと思ったら、以外にもポーはケイタの腕の中で丸まっておとなしくしている。

「ガク(10s)の半分しか重さがないから、軽いだろ」
「うん、かるいよぉー」
「ポーちゃんは年寄りだから、やさしくしてやってくれよ」
「ポーちゃん、死んじゃうの?」
「まだ元気だから、とうぶん大丈夫だと思うぞ」
「ポーちゃんが、お墓の中に入っちゃうのは、嫌だ…」

少しでも『死』の話題に触れるとすぐに涙目になるケイタが、そう言って泣き出しそうになった。

「もうすぐ、15歳だけど、まだまだ、たくさん食べるし、元気だから、とうぶん死んだりしないよ」

ケイタにではなく、僕は自分にも言い聞かせるようにそう言った。

「とうぶん大丈夫だよな、ポー」

ポーにそう問いかけると、ポーはいつものように小さく、「にゃ…」と答えた。
posted by ころすけポー at 01:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 猫と子ども | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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