2004年12月12日

第11話 黒猫ポーの事件簿 最終回

第11話 黒猫ポーの事件簿 最終回


最終回、黒猫ポーの部屋が出来るまで?
僕の書斎を取られたぁー。



結婚して住んでいたおんぼろアパートから新しい家に移ることになった。


古い住み慣れたこのアパートから、新居に引っ越す事になって、一番の心配事は黒猫ポーのことだった。

駅から15分という不動産屋に騙されて、歩くと実は30分近くもかかってしまう、このおんぼろアパートに移ってからもうすぐ10年になろうとしていた。このアパートに移ってから、すぐにポーを飼い始めたので、彼との付き合いも10年近くになっていた。

猫は家につく、という。ポーは家猫だからこの狭いアパートの中が彼の世界のすべてだ。

6畳2間とキッチン8畳あまり…一人暮らしだったから決して狭いはずではなかったのだが…長年のグータラ生活がたたって、とんでもない事になっていた。
キッチンのフローリングはそのほとんどが、新聞紙の束(2年間位溜めていた)と猫砂の袋、800枚はあったレコードの入ったラック、冷蔵庫が2台(1台は壊れていて下駄箱代わりに使っていた)で占められていた。

さらに、寝室の6畳はベッドと本棚に入りきれずにダンボールに詰められた本や積み重ねられた本で足の踏み場はほとんどない状態…

かろうじて生き残った居間も通販で衝動買いしたソファーやアウトドアグッズであふれていた。実際に僕が生活していたスペースはこの部屋全体の3畳あまりだったかもしれない。

フィリップ・マーロウが散らかった机の上をひじで払いのけて、おもむろにグラスにバーボンをそそぐ…そんな生活をしていた。(何がぁー、フィリップ・マーロウだぁー、掃除しろっていうの!)

こんな部屋でもポーには天然のアスレチックグランドに見えたのか、新聞紙の束の上から(人の背の高さ位まで積み上げていた)とび降りたり、物かげに隠れて飼い主をおどかしたりして、元気に毎日遊んでいた。

そんな部屋から新築の家に移って、ポーはしばらく落ち着かない様子だった。以前に書いた僕の腕に本気で噛みついて流血事件を起こしたものこの頃の事だ。

ポーの居場所をどこにするか、階段の下に猫砂トイレをおいて…等計画してはいたが、ポーは恐がって、僕の部屋の隅で縮こまったまま出てこない。

この「僕の部屋」というのは、この家を建てるときに、唯一僕が主張したことだ。
自分の部屋、といっても、スペースの関係で2畳半ほどの狭いスペースしか取れなかったけれども、僕はあえて『書斎』と名づけた。その書斎(工務店の設計見取り図には「納戸」とされていたが…)僕の城そのものだ。家の中で唯一喫煙を許されている場所、本と釣り道具とアウトドアグッズに囲まれて、♪せまいながらに、楽しい我が家〜

たとえ、ラスコーリニコフの部屋のように狭くとも、工務店に納戸と言われようとも、僕の大切な『書斎』のはずだった。

その納戸(もとい書斎)に入ったきり、ポーは出てこようとしない。新しい家がよほど恐いのか僕が近づいても、シュアーっと威嚇してくる。

しかたがないので、水、エサ、猫のトイレ、猫ベッドを僕の部屋に運び込んだ。ダダでさえ狭い部屋がこれでますます狭くなった。机に座るとほとんど他のスペースがない。

しょうがない、しばらくの間だけだ、と思っているうちに、はや3年…

僕の部屋(書斎)という呼び名も、いつのまにか『ポーの部屋』と家族に呼ばれている。

そのポーの部屋が今どうなっているかというと…、

食い散らかした煮干のカケラやトイレから飛び出した猫砂、毛玉を吐いたゲロ、破られた壁紙…と築3年とは思われないほどに、無惨な様相を呈している。

僕はその部屋にポーのお情けで同居させてもらっているような状態だ。

タバコを吸うためにポーの部屋(もとい、僕の書斎!)に行くと、まずはじめに机の上で寝ているポーをよいしょっと下に降ろさなければならない。
部屋を出ようとすると、本棚の中に隠れたポーが通りすがりに猫パンチを食らわせてくる。スリッパで踏まれた猫砂のじゃりじゃりした音、小さなホウキとチリトリで掃除している毎日……

くそっー!僕の書斎をかえせー!

これを書いている今も足もとで、ポーが「にぼしをくれー」とニャアーニャアー鳴きながら頭突きをしてきている。僕が煮干を出すまでけっして諦めようとはしない。

「わかったよ、ポー、今、あげるから…」
posted by ころすけポー at 16:26| Comment(1) | TrackBack(0) | 猫の思い出 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして、突然申し訳ありません。

貴サイト様を拝見させて頂きました。ランキング上位を狙えるサイトだと感じております。
☆ぜひとも当ランキングに登録して頂けませんでしょうか?

登録URLは下記です。初期の登録運営者様はライバルも少なく、登録するだけで多数のOutカウントを見込めます。
何卒よろしくお願い致します。

http://blog.rank10.net 元祖ブログランキング
Posted by 御案内 at 2004年12月12日 16:31
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/1274165

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。